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2)外貿コンテナの内航フィーダー輸送の現状(内航フィーダー船社ヒアリング結果)「フィーダー」とは、幹線に接続する支線のことである。「外貿コンテナのフィーダー輸送」とは、ふつうは外貿コンテナ本船が寄港する港湾と外貿コンテナのバン詰めまたはバン出しとの間の地域間輸送のことをいい、本報告書でもこの定義に従うものである。
北米、欧州等の主要コンテナ航路が寄港するわが国の港湾は5大港などの主要港湾に限られており、これらの航路を利用する地方発着のコンテナ貨物については船社が運賃を負担して本船発着港まで輸送するが、これが狭義の「フィーダー輸送」である。例えば、広島県の自動車メーカーからの輸出コンテナ貨物は本船が寄港する神戸港から船積みされることが多いが、広島から神戸までの国内輸送費は船社が負担することが多い。
しかし、輸入貨物の場合は船社輸送責任は本船の着港で終了するため、例えば神戸港で取卸された広島向けの輸入コンテナは受荷主の費用負担で広島まで輸送される。これも、形態上は「外貿コンテナの国内輪送」である。したがって、ここでは輸送主体(運賃負担者)が船社か荷主かにかかわらず、港湾とバン詰め、バン出し地間の外貿コンテナ輸送を「フィーダー輸送」とし、内航海運を利用して行われるものを「内航フィーダー輸送」とする。内航以外にもトラックを利用して輸送されるコンテナは多いが、それについては後述する。
近年、5大港以外のいわゆる地方港湾への外貿コンテナ船の寄港が増加していることから、主要港湾ヘフィーダー輸送する必要性が減りつつある。特に、これまで神戸港及び大阪港へのフィーダー輸送の多かった博多港への北米、欧州航路のコンテナ船の寄港が増加したことで、「博多から大阪・神戸港向け」のフィーダー輸送量が減少している。しかし、広島県や岡山県の港湾では、北米や欧州航路の本船が寄港していないため、大阪・神戸港へのフィーダー輸送量は減少していない。また、西日本の各地から大阪・神戸港へのフィーダー輸送では特に海運の利用が多い。もともと瀬戸内海沿岸は内航海運の利用が盛んであったが、外貿コンテナの輸送においてもコンテナ専用の定期航路が運航している。
大阪港及び神戸港に発着する内航フィーダー航路は、図3−10.のとおり九州航路、中国航路、四国航路があり、博多港、北九州港、徳山下松港、広島港、水島港、松山港、東予(西条)港から大阪港・神戸港への定期航路が就航している。

 

 

 

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